スナークの憂鬱

場末の基礎系大学教員がね、ときどき何かを吐き出したり、真顔で法螺を吹いたりする。

連絡著者

ここ2日、論文の著者順について、生命科学系や医学・医療系では意味があること(貢献度の順)数学や社会学などでは意味がないこと(アルファベット順で記載されるから)を記述してきました。

 

もうひとつ大事なのが「連絡著者」です。「責任著者」とか「corresponding author(略してコレスポ)」とも呼ばれます。

 

著者のうちの1名(時には複数名)が「連絡著者」になりますが、何番目に記載された著者がなるというルールはありません。

 

「連絡著者」の名前のとおり、所在地の住所やメールアドレスなどが論文に記載されます。つまり、その論文について対外的な窓口になる著者を指します。

 

連絡著者は、ジャーナルに論文を投稿するとき、査読者とのやりとりを行うとき、さらには論文がジャーナルに掲載された後に論文に対する問い合わせに対応します。そのような役割があるため「論文に関する最終的な責任を負う著者」として、第1著者と同等かそれ以上に重要視されます。

 

若いうちは第1著者として自身で調査~執筆の多くを経験し、ポジションがあがるにつれて後輩や部下の研究を手伝う機会が増えて2-3番目の著者としての業績が増え、独り立ちして第1著者 兼 連絡著者の論文を書き、研究室主催者になると最終著者(一番後部に記載される著者)となり、同時に連絡著者になる(自身のプロジェクトとして部下が実際に手を動かす)というパターンが多いみたいですね。

 

研究者としての評価の面では、「第1著者として執筆した論文」と「連絡著者となって責任を負う論文」とが重要視されるので、「俺が責任著者だ」「いや私だ」みたいな醜い争いが起きることもあります。

 

 

amp-on-tongue.hatenablog.com

amp-on-tongue.hatenablog.com