執筆した論文が世に出るとき、複数の著者が名を連ねることが(少なくとも生命科学系や医学・医療系のジャーナルでは)多いです。
著者の順番には基本的なコンセンサスというか慣例があって、1番目の著者(第1著者)は、その論文に対して最も知的貢献度の高い人(実際に調査したり原稿を執筆したりした人)がなります。
執筆した論文が、他者の論文において「〇〇らは、・・・と主張している。」などと引用されるとき、〇〇には第1著者の名前が記載されるのでとても大事。
2番目以降は、その論文に対する知的貢献度の高い順、というのが一般的です。結果的に、調査や執筆を直接手伝ったりする同僚や若手教員の貢献度は高くなるでしょうし、頻繁には指導できない准教授や教授などは後ろの方になります。
ここ大事。
あくまで「結果的に」ポジションの高い人ほど後ろになるんです。
それを知らずに「この人は教授だから後ろの方、この人は助教だから前の方」みたいに著者の順番を決めると「なんで貢献度の低い万年助教が2番目で、すごい貢献してるワシがこんなに後ろなんだよ!」などと叱られますので注意しましょう(やけに具体的)。
※どれだけ貢献してても「一番うしろにしてくれ」という教授もいます。いわゆる「ラスト・オーサー(最終著者)」を(第1著者と同様に)評価する文化もあるので。
というわけで、著者の順番はわりとデリケートな問題です。そこここで醜い争いが生じているのを見聞きします。なので、研究の早い段階で教授や指導教員に相談した方が幸せになれると思います。
もう一つ大事なことは「著者として名を連ねるには知的貢献が必須」ということ。
知的な貢献を何もしていないのに「俺の名前を入れろ」と言ってくる偉い人を拒否するのは難しいので、頑張って抵抗したりする必要は無いですが、自ら忖度して偉い人を著者に加えたりすることが無いようにしましょう。
自ら忖度して著者に入れる行為は「ギフト・オーサーシップ」という明確な不正なので。
「俺の名前を入れろ」と言ってくる偉い人がいたら、とりあえずメールなら保存・印刷、口頭なら録音しておくと良いかなと思います(証拠を残しておきましょう)。
・・・。
まあ、何か見たんです。