スナークの憂鬱

場末の基礎系大学教員がね、ときどき何かを吐き出したり、真顔で法螺を吹いたりする。

博士課程の講義で使う資料(ビビらせ用)

大学院・博士課程では一般に、医学だと4年間、それ以外だと3年間の間に、国際ジャーナルに論文を掲載することが求められます(あくまで「一般に」です)。

 

博士号を授与されるためには、ジャーナルへの投稿、そして査読者との議論に勝って(必ずしも勝ち負けではないけど)アクセプト(採択)となり、論文が世に出なければなりません。

 

3-4年って本当に短くて、査読者との議論の結果によっては追加実験が必要になったり、リジェクト(不採択)になって別のジャーナルにリトライする必要がでてきたりしますし、最終年度の晩夏~秋にはジャーナルから「採択」の結果を受けていないといけないことを考えると、実際には投稿~採択のプロセスだけで1年近く想定しないといけないわけです。

 

短い時間で論文を収集してまとめ、研究計画を練って、実験・調査の倫理審査を受けて、実験なり調査を開始して、データをまとめて図表を作り、統計・検定を行い、論文のドラフトを執筆して、指導教員に修正してもらって、共著者の同意を得て、英文を校正して・・・と、やることはいっぱいあります。

 

 

けれど、大学院生には時間の無さをあまりイメージできないんですね。そこで私が大学院生に向けたスライドで紹介する論文がこれです。

 

アクセプトまですごく時間がかかった論文

 

1995年6月に投稿されて、採択されたのが2006年5月。 長っ。

 

 

この例は数学の論文で、数学の領域ではそもそも査読期間が長いそうです。医学・医療の論文でここまで延びるのはまず無いのですが「査読が終わらなくて期限に間に合わず、学位を受理されなかった先人は決して少なくない」ことを伝えています。

 

https://doi.org/10.1016/j.laa.2006.05.022